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虹の場所へとつづく旅 7 アーシャス 告白
- 2009/04/04(Sat) -
連載です。

最初から読む場合にはカテゴリー「虹旅」



少し経つと、アーシャスはお湯の中にいるよりも
ピーチ姫の下で日光浴をする時間の方が長くなっていった。
のんびりとそぞろ歩きをしたり、リックの歌で微笑んだりするようにもなってきた。


そんな時には、隣に腰掛けて、たわいもない話などもできるようになっていった。




そんな時だった。





「何から・・・話しましょうか?」

アーシャスは、私のお腹から大きな黒い箱を取り出した。
それをそっと開ける・・・。
大きなネガみたいなものがドロッと出てくるのかと思って
思わず私は目を背ける。
「・・・・」
音も何もしないので、そっと薄目を開けてみた。
箱の中には大きな水晶のクラスターが入っていた。

そっと・・・少し陰のある瞳でクラスターを手に持つと私に渡した。



アーシャスの記憶だった。



一瞬にしてその世界に入っていく。
大きな水晶でできている宮殿。
水晶だけではなく色々な色の石たちが所狭しと置かれていて
大きな柱は水晶でできていた。
光があたるとキラキラと輝いて、プリズムの光の中にいるような
それはそれは素敵な場所だった。

幅が広くて、段差の小さい階段がずっと続いている。
私・・・アーシャスは階段を上っていた。
階段を上りきったその奥に、彼がいつもいる部屋がある。

彼は姫巫女様の側近だった。
姫巫女様の周りを影のように寄り添い守る。
それが彼の役目だった。

そして・・・姫巫女様は彼に恋した。

そして彼もまた、姫巫女様を愛していた。

彼は気持ちを隠してお仕えしていた。
所詮身分違いの気持ちである。
それに彼には誰にもいえない秘密があった。
姫巫女様に恋など・・・。ありえないことだった。

しばらくその状態が続いたが、
長い間気持ちを偽ることはできなかった。

二人は恋に落ちた。

けれども運命は過酷で、終わりのときが迫っていた。

彼の苦悩は日ごとに募っていく。

「終わりの時には、一緒に逝きましょう。アーシャス。」

姫巫女様はそう言った。

けれどもアーシャスには約束ができなかった。
約束できない理由があった。

「姫を守るのが私の仕事。それだけはできない。
 君を死なせるなんて・・・そんなことさせない。」

その言葉さえ、後ろめたい嘘が染み付いていた。


アーシャスは、その時代の人間ではなかった。
彼は違う星から派遣されたスパイだった。
万が一の時には、姫巫女様を。。。
姫巫女様を次の時が来るまで封印する役目を背負っていた。
それは・・・死ぬよりも辛いことだろう。
何千年もの眠りを姫巫女様に強制するのだから。
この場所を守るため姫巫女様の力がどうしても必要だった。
そのための封印だった。
これは、最重要で最優先事項であった。
後のこの場所のために。

アーシャスはそのためにこの場所に居る存在だったのだから。


そして・・・終わりのとき。

アーシャスは姫巫女様を封印した。

「一緒に逝こう」という言葉はついに果たせなかった。
姫巫女様を最後まで裏切る選択しかできなかった。
最後の姫巫女様の絶叫が耳にこびりついて離れない。
そして絶望したあの瞳も。



アーシャスは、その場でロストとなったのではなかった。
彼は、その後、自分の星の人たちに救出された。
けれども、姫巫女様を封印という形で死なせてしまった自分を呪った。
そして、何度も転生するが、その度に自分自身を傷つける人生を選んできた。
自分はしあわせになる資格がない。
愛する人を死なせてしまった。愛する人を裏切ってしまった。
そんな自分をずっとずっと責め続けて。。。。
そうやって少しづつロストと呼ばれる状態に陥っていたのだった。


アーシャスが封印してしまった姫巫女さんの記憶を持つ
pyoさんが、姫巫女さん側からみたお話を書いてくれています。
「伽羅弧 クリスタル城 3」





超バタバタしているので、ごめんなさい。
コメント不可にさせていただきます。






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